陰山英男先生 特別教育講演会

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2月22日(日)、松山市のリジェール松山・クリスタルホールにて、立命館大学教育開発推進機構教授の陰山英男先生の特別教育講演会「子どもの幸せのために親ができること~やる気が伸びる7つの習慣~」が開催されました。陰山先生は「百ます計算」や、基礎・基本の徹底反復をはじめとする「陰山メソッド」によって、子どもたちのやる気と力を引き出し、全国の保護者の方から圧倒的な支持と信頼を集めています。

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当日は、小学生のお子さまをお持ちの保護者の方にたくさんお越しいただき、陰山先生のお話をきいていただきました。

近年、「子育てのつらさ」、「教育の難しさ」などが頻繁に取り上げられ、「教育はいかにあるべきか」が大きな課題となっています。強い子を育てるために、親はなにをすればいいのでしょうか。今回の講演会では、学力向上と家庭での生活習慣の関係について、ご父母の方へメッセージが伝えられました。

今回の講演会で陰山先生がお話しされた「お子さんのやる気が伸びる7つの習慣」について、ご紹介します。

1.早寝・早起きをする。

日本は世界で就床時刻が最も遅いそうです。「学力低下」は睡眠時間が短いと起こってきます。睡眠時間は7~9時間確保する必要があり、そうなると、小学生は20時~21時には寝るのがベストです。この時間帯に寝る子の成績が一番良いそうです。そして、寝る時刻が遅くなるほど成績は下がっていきます。

2.食事をしっかりとる。

学力と食事には密接な関係があることがわかりました。また、一食あたりの食品数と学習成績は関係があります。食品数が多いほど成績が上がるというデータがあります。一週間で70品目(種類のだぶりは無しで)を目標に食事を考えてみましょう。ぜひやってみてください。そして、朝食抜きは禁物です。朝食は遅刻しそうでも必ず食べさせてください。

3.テレビなどは1時間程度にする。

テレビをまったく見ないのがいいということではなく、見すぎることがいけないという意味です。あるデータによると、1時間程度見ている子どもの成績が一番いいようです。世界で最も勉強時間の少ない国は日本だそうです。そして世界で最もテレビを長い時間見ている国も日本なのです。

4.読書は知能を高める。

読書をすることによって脳が鍛えられ、知能指数も上がってきます。「本を読みなさい」と読書を無理強いしても効果は出ません。子どもがみずから本を読むような習慣をつけるように工夫をしてみてください。例えば「家族文庫をつくる」といった環境づくりからはじめてみてはいかがでしょうか。「ここに置いてある本を必ず読みなさい」といった強制ではなく、子どもの視界に自然と本が入ってくるといった仕掛けをつくることが大切です。

5.正しい学習習慣は環境から

(1)ダイニングルームにカウンターデスクを設置します。低学年のうちは、親子でいっしょにそこに座って勉強しましょう。勉強が楽しくなります。(2)カウンターデスクでいっしょに勉強しているときは、子どもの様子をななめ後ろから見守ってください。子どもはリラックスして勉強に取り組むことができます。(3)時計を置く位置に気をつけてください。成績の良い子どもは、時間の感覚をもっています。親からも子どもからも同時に見ることができる位置に時計を設置してください。

6.脳を速く動かす練習をする~正しい百マス計算のやりかた~

(1)毎日、同じ内容の百マス計算をさせてください。タイムが上がりやすくなります。また、いきなり百マスでなくてもかまいません。(2)毎日、タイムを計り、記録して、そしてほめてあげてください。学習意欲をもたせることができます。(3)毎日、できるかぎり同じ時間にさせてください。学習習慣をつけることができます。反復の高速化が脳を鍛えます。だから、単純なものが良いのです。ここに繰り返し学習の有効性があります。

7.漢字学習を集中的にする。

どんな学年でも8割の漢字が覚えられると、他の教科も伸びていきます。言い換えますと、漢字テストで80点以上とれると、すべてのテストの点数が上がっていきます。集中的に漢字の学習を行ってください。単純なことを高速化して行うと、脳が高性能化します。


会が始まったとき、陰山先生は、緊張しながらお話を聞こうとされている保護者のみなさんに、「リラックスして話を聞いてくださいね。笑わないといけませんよ。」とおっしゃっていました。その後も、緊張して、陰山先生のジョークに反応が弱かったみなさんに「今のところ、笑うところですよ!笑わないと、いけませんよ!」とテンポのよい関西弁で楽しく話されていました。このことは、お子さんの教育にもあてはまることだそうです。

勉強は集中することが大切です。しかし、「集中」と「緊張」はまったく違うものです。例えば「テストで90点取りなさい」と言われて勉強しても、緊張しか生まれません。本当に「集中」するためにはリラックスすることが必要で、言い換えれば、リラックスしないと「集中」は続かない、とおっしゃっていました。勉強で大切なのは、「おもしろい・楽しい」ことで、それが最大の集中を生むのです。そして、子どもを伸ばす最も重要なものは、親や先生の笑顔、特に「お母さんの笑顔」なのです。「笑顔」を見ればリラックスできます。そして、お母さんに笑顔になってもらうためには、お父さんや周りの人たちの役割も大切。家族の雰囲気が、子どもの学習に大きな影響を与えるということですね。

講演はグラフや資料をスライドでたくさん示しながら進み、陰山先生の軽妙な語りと相まって、先生の提唱する学習方法と同じく、最後まで楽しく集中して聴講することができました。

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