第八回日本語大賞「寺小屋グループ作文コンクール」優秀作品ご紹介

寺小屋グループでは小学生の国語力向上を目的とし、俳句コンテストや作文コンクールへの出品など、さまざまな取り組みを行っております。今回は日本語検定委員会と寺小屋グループが主催する、第八回日本語大賞『寺小屋グループ作文コンクール』の優秀作品をご紹介いたします。
今回の作文コンクールのテーマは『あまり使いたくない日本語・もっと使いたい日本語』でした。
最優秀作品も優秀作品も、それぞれの視点から改めて日本語について考えた素晴らしい作品ばかりでした。


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井上紗希さんのコメント
この作文を書いて賞に選ばれたと聞いたときは、とてもうれしくて大喜びしました。私は、大好きな阿波べんのことや、母が小学校を三回も転校したころの話を聞いて感じたことを作文にしました。これからの作文も、相手に伝わるように楽しく書いていきたいです。

井上紗希さんのお母様のコメント
この度は、すばらしい賞をいただきまして、ありがとうございました。何を書こうか、書くまでに時間がかかっていたように思いますが、出来上がった作文を読んでくれたときは、少し満足そうに見えました。常にマイペースな娘ですが、何事にも一生懸命に取り組む姿勢が身に付いたのも、授業担当の先生方のおかげだと感謝しております。これからも、いろんな課題の作文にチャレンジして、日本語の良さを学んでほしいと願っています。

授業担当:北島校 的場一将先生から
紗希さん、最優秀賞おめでとう!徳島で生まれ育った紗希さんにとって、親しみのある大好きな阿波弁。その特徴を見事に捉え、他の方言との対比をしたり、言葉が持っている言い方ひとつで印象ががらりと変わってしまう難しさについて、的確に言及したりするなど、鋭く巧みな文章に惹きつけられてしまいました。また、言葉に対する紗希さんの思いが十分に伝わってくる、何度も何度も読み返したくなる素敵な作品に感銘を受けました。紗希さんには、これからも言葉に対して大いに興味を持って、その一つひとつを大切にしていきながら、素敵な言葉を紡いでいくことのできる大人になってほしいと思います。

第八回日本語大賞『寺小屋グループ作文コンクール』最優秀作品
親しみのある言葉

寺小屋グループ北島校 小学5年 井上 紗希

私は徳島生まれの徳島育ちです。だから阿波べんに親しみがあります。
私の地域は、言葉の終わりに「な」や「じょ」をつけます。例えば、あんな(あのね)やこんなことがあったんじょ(こんなことがあったよ)などです。しかし、よくつかっている言葉でも、せこい(むねが苦しい)やまけまけいっぱい(たくさん入っている)など説明しなければ通じない言葉もあります。高知県に住んでいるいとこも、言葉の終わりに「き」や「が」をつけます。しっちゅうは知っているという意味だそうです。夏休みになると、私もいとこも阿波べんと土佐べんが混ざってしまうけれど、楽しいです。
私の母は、小さいころ祖父の仕事で、徳島県内のいろいろな所へ引っ越ししたそうです。その地域に住んでいる人は、昔からの方言に親しみを持っていて、大切に使っているそうです。ちがう地域から来た祖父が会話をすると、言葉のトーンがちがうだけで、相手に伝わらなかったそうです。それではいけないと思った祖父は、その町や村の人と同じように話して、早くなじめるように努力したそうです。そうすると、相手の様子も変わっていって、話しかけてくれるようになったので、うれしかったそうです。母は、この経験から、人と会話をしていると、南部の人かな西部の人かなと感じるそうです。
人と話をするとき、言葉は言い方で、相手に良い印象をあたえたり、悪い印象をあたえたりします。相手の気持ちを考えながら話をすると、私の気持ちもスムーズに伝わります。自分の気持ちを伝えるときに、どう話したらいいかなやむ事もあり日本語ってむずかしいなと感じます。けれども、ひとつひとつの言葉を大切にして、これからも多くの人と会話をしていきたいです。

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逢坂太聞くんのコメント
ぼくは、はじめは「ありがとう」という言葉で作文を書いていました。しかし、と中で文が書けなくなってやめました。「いただきます」とのちがいは、たまたまの出来事があった事と、その意味について考えたかどうかということです。大切にしたい日本語は、案外日常にたくさんあって、気づいていないだけだとぼくは思います。

授業担当:美馬校 松本慶裕先生から
太聞くん入賞おめでとうございます。毎月実施している作文講座では、嫌だ嫌だと言いながらも、採点の評価を気にするところなどを見ていると、実は楽しみにしているのではないだろうか?!と私たち担当は希望的観測で見守っています。いつも与えられる題材に真剣に正直に書こうとするあまり、書く前に頭の中でいろいろと試行錯誤している太聞くん。しかしテーマと構成が頭の中で決まれば、あっという間にまとまりのある文章をすらすらと書いてしまいます。その思考能力の高さには毎度脱帽しています。この入賞を機会に文章を書く楽しさに目覚めてほしいと思っています。

第八回日本語大賞『寺小屋グループ作文コンクール』優秀作品
感謝の所作「いただきます」

寺小屋グループ美馬校 小学5年 逢坂 太聞

ぼくの使いたい日本語は「いただきます」です。なぜかというと、「いただきます」がとてもすてきな言葉だと気がついたからです。
この言葉をぼくは食事の前に使います。ぼくは、両手を合わせて「いただきます」と言います。姉たち6年生は、給食のときはもっと長くて「食べ物ありがとう。作ってくれた人ありがとう。元気に食べられることありがとう。いただきます。」と言うそうです。
そして、給食のときにはこんなこともありました。3年生までは「いただきます」を言うときに手をパチンと音をたてて合わせていたのですが、4年生になってやめました。それは先生に「それは、だめよ。」と言われたからです。そのとき、なぜいけないのか分からなかったので調べてみました。お母さんに聞くとぶっ教では左手が自分で右手がご先祖様だそうです。それを合わせて感謝するのが合しょうだそうです。自分が、今生かされていることを感じ、感謝する動作のように書かれていたと思います。
結局のところ「どうしてパチンとしてはいけないのか」は書かれていなかったのですが、ぼくはこう思います。パチンとするのは、雑だし、失礼だからです。ぼくやみんなが「いただきます」と言うのは、まさに姉たちのいうとおりだと思います。食べ物を作ってくれた人と、それを元気で食べられる自分であるということに感謝しましょう。ということだと思います。じっさいに、魚だったり肉だったり本当に命をいただいています。だから、雑ではいけないし、失礼ではいけないのだと思います。
動作もふくめて「いただきます」は、もっと大切に使いたい日本語です。

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上笹莉子さんのコメント
私は、あまり作文は得意ではなかったけれど、こんな賞をもらえてうれしかったし、自分に自信がつきました。作文に書いている「和敬清寂」という言葉は、茶道に関係していて、茶道が大好きという気持ちをこめて、この言葉にしました。作文を書いていて、この言葉の意味がもっと理解できたし、この言葉がもっと好きになりました。もっと使っていきたいです。

授業担当:桑原教場 村上優実先生から
いつも優しい雰囲気の作文を書いてきてくれた上笹さんが優秀作品に選ばれたこと、とても喜ばしいと思います。自分の大好きなもの、大好きな言葉について書くのは、いつもの授業で書く作文とは少し違ったのではないでしょうか。
相手に伝わりやすく、書いている人の顔が浮かぶような文が、上笹さんの持ち味であると思います。とても大切なことであると思うので、これからも恐れずに作文を書いていってください。


全ての教科の基本となるのは、文章を読み取る力や文章で表現する力です。
寺小屋グループでは、これからも小学生の国語力向上を目的とした、さまざまな取り組みを行ってまいります。
今後もブログを通じてたくさんの優秀作品をご紹介いたします。