新学期を前に「特別教育講演会」を開催

新学期を心待ちにしているこの時期、3月6日(日)に寺小屋グループの小学部から高校部までのイベントが「春のイベントday」と題し、一斉に行われ、多くの皆さまにご参加いただきました。その中のひとつのイベントとして、特別教育講演会が行われました。この春に小学校へ入学されるお子さまの保護者の方から、いよいよ受験学年となる新中3生の保護者の方を対象に行われた講演の概要をお伝えします。

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特別教育講演会「変わる教育環境、伸ばす子どもの学力」は、株式会社ベネッセコーポレーション野崎新吾氏による講演で、松山市コミュニティセンター大会議室で14:00より行われました。

会場には、多くの保護者の方々がお越しになり、これから変化する教育環境への関心の高さが伺えました。
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ご来場の方へお渡しした資料の中には、大学入試制度の変化についてマンガで説明している小冊子もあり、たいへん好評でした。

講演内容は、

1.子どもたちが生きる未来社会
2.教育政策の方向性と、いまやるべきこと
3.「主体的な学び」に必要なこと
4.家庭での保護者の関わり方

についてお話しいただきました。講演内容の概略をお伝えします。

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子どもたちが生きる未来社会

現小3生が、22世紀を迎える確率は31.9%。その事にも驚きだが、22世紀を迎えるまでに、社会の内容・しくみが急激に変わると予想されている。
2045年には人工知能が人間を越える「特異点」を迎える一方、2040年代には日本のGDPが9位に転落。その後、高齢者人口が40%を超えることは確実。今ある職業の半分近くは、コンピュータに代替されるであろうとさまざまなシンクタンクで計算されている。
このような社会に向かっていくとき、何が必要となるのか。今まで求められていたもの(答えがあって、正解をより速く、正しく見つけ出すこと)が今後求められるもの(問いを自ら発見し、答えを創り出すこと)に変わっていく。
社会の中ではそれができる人、それを見すえて仕事をする人に仕事が集まってくる。例えば、今まではある人のリーダーシップにより引っ張っていってもらい、ついて行けばよかったが、これからは、「この指とまれ」としたところに集まり、個々が考えを持って活動する、という形になってくる。これからの時代に適応した人材となるよう学習していくことが大事であるし、国もそのような人材育成のために教育政策を変えていくことになる。

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教育政策の方向性といまやるべきこと

基礎力だけでなく、思考力・実践力が求められる。
  • 基礎力とは「何を知っているか、何ができるか、世の中にどう使えるか。」
  • 思考力とは「知っていること、できることをどう使うか。」
  • 実践力とは「どのように社会・世界と関わり、よりよい人生を送るか。」
これらのことが入試でも試されるようになる。実際に、その傾向・動きはすでに始まっている。現中1生が大学入試を迎える2020年には、大学センター試験(マークシート方式)はなくなり、記述式になる予定。小3生の変化が大きい。
未来社会の激しい変化が起こりうるが、それに合わせて大学入試も変化。教育の目的・到達点である大学入試から改革することになる。

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「主体的な学び」に必要なこと

大切な要素として3つある。
1.学習意欲 学ぶ目的を見つけ、やる気を高める

学年が上がるにつれ、勉強する意義や目的を見失っていき、学習意欲が減退しがち。そのとき、保護者ができることは、動機付け(後押し)をしてあげること。

2.自己理解 自分を客観的に見つめ直し、行動を決める

大人でもなかなか難しい。子どもには話しかけてあげることで、子どもは自分を客観的に見ることができる。「何がしたいのかな?」「今、何をしたほうがいいと思う?」確認をしてあげることで、自分の気持ちに気づき、客観的に考えられる。また、毎日の行動を記録に残すようにすると、時間の管理ができる。例えば、勉強した時間17:00~18:00、ゲームをした時間19:00~19:30といったことを毎日記録していく。

3.学習方法 自分に合った学習法を見つけ、学習の質を高める。

学習の量(日々コツコツ勉強する)…家庭でできる
学習の質(学習の方法を見つける)…コントロールしにくい。塾や学校に相談する
「勉強がわからない」という悩みの中には「上手な勉強の仕方がわからない」というものも含まれ、学年が上がるにつれて増える。そんなときは、外部の力を借りることがいいと思う。

以上の3つがあって、学習の成果が見えてくる。

ちなみに、伸びる子どもが行っていることは、難問に向かったときに人に聞かずにまず一生懸命考える、テストの解き直しをするなど。
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また、勉強の効率をあげるためには、まず20分間は机から離れず勉強に向かう。そうすればその後、集中力が持続され、勉強に向かうことができる。

家庭での保護者の関わり方
前述の主体的な学びを支えるにあたり、保護者の関わり方としては

  • プロセスをほめる
  • 共に考える
  • そして、子どもが決める。

最後の「子どもが決める」については、日常ついついしている「先回りしてやってあげる」「子どもに指示を出す」が「決める」機会を失わせているようなもの。自ら考え行動する子どもに育てるためには「決める」ことをさせる。


1時間30分の講演でしたが、あっという間に時間が経っていました。
学力を上げていく、学力をつけていくということに、すぐ結果が出る魔法のようなものはなく、毎日コツコツと当たり前のことを続けていく、また、保護者として子どもの将来を見すえた関わり・選択を手助けすること。
それらが結局のところ大事であり、変化する時代にも根底は今までと変わりないということがわかりました。
毎日子どもに接していく中で、「悩み」「戸惑い」「迷い」が日々出てくると思います。今日の講演が、少しでもお役に立ちましたら、と講演会は終了しました。
寺小屋グループでは、今後も教育・学習に関するイベントを開催していく予定です。ぜひ、ご参加ください。


3/6に行われた他のイベントについてはこちらから
新小1・2生対象 スーパーキッズコース春のチャレンジテスト
新高3生対象 河合塾マナビス特別講演会センター試験数学攻略法

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